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HPE社の事例から学ぶ、価値方程式を活用した変革の価値伝達術

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The Digital Brain Platform

December 4, 2024

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価値方程式の「Y(なぜ)」を「X(どうやって)」につなぎ、経営陣のサポートを確保

著者:o9ソリューションズ CEO兼共同創業者チャクリ・ゴッテムカラ

o9ソリューションズは、企業内の計画や意思決定の「サイロ」が、グローバル企業における最大の価値損失要因であるという洞察を基に設立されました。

現在でも、多くのグローバル企業が手作業に頼った非効率かつサイロ化された計画や意思決定プロセスに依存しており、業務の複雑化や需要・供給の変動への対応という課題に直面しています。

これらの課題は、顧客へのサービスレベルの低下、販売機会の損失、過剰在庫、サプライチェーンコストの増加、新製品や販売投資のROI(投資収益率)低下、さらには財務予測の目標未達成といった形で価値損失を引き起こします。

しかし、多くの場合、これらの課題解決に向けた意思決定に時間がかかりすぎるのが現状です。

では、なぜ経営陣はこれほど深刻な価値損失要因に迅速に対処しないのでしょうか?

その理由の一つとして、現状より優れた方法が本当に存在するのかという疑念が挙げられます。この懐疑的な姿勢が、課題解決の緊急性を低下させ、投資意欲を削いでしまいます。

そこで、oo9ソリューションズとともに変革を実現したお客様たちに、経営陣を説得して変革への一歩を踏み出した方法を尋ねたところ、体験はさまざまでしたが、一つの共通したテーマが浮かび上がりました。

それは、投資を正当化するには、顧客サービス、在庫、売上原価(COGS)、生産性向上といった重要な業績指標に基づく測定可能な成果を達成できるという確信が必要であるという点です。この成果を私は「価値方程式の『Y』」と呼んでいます。

しかし、「Y」だけを語るアプローチでは、懐疑的な反応を引き起こす場合があります。ある経営者は次のように語りました「これまでサービスレベル向上を目的に承認されたすべての施策を合計すれば、サービスレベルは100%を超えているはずだ。」この指摘は、単に成果を約束するだけでは十分ではないことを示唆しています。

組織を効果的に動機づけ、変革を推進するリーダーに共通する特徴の一つは、価値方程式の「X」のストーリーを描き、それを「Y」と結びつける能力です。


具体例として、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)社の事例をご紹介しましょう。

HPE社は、大企業や中堅企業向けにクラウドインフラ技術を提供しています。同社は近年、各顧客のカスタマイズ要件が広範囲にわたることから、業務の複雑性が著しく増加してきました。

同社が受ける注文の多くは、複雑な多層部品表、数千もの購入部品、複数のサプライヤーや委託製造業者を含む独自構成で成り立っています。

こうした中で、クラウドインフラ需要の急増に伴い、HPE社のCRMパイプラインは営業チームやパートナーが生み出した膨大な案件で溢れていました。営業や顧客は、これらの構成に関する納期やコストについて、サプライチェーンからの迅速かつインテリジェントな情報を必要としていました。

しかし、HPE社が統合計画を推進するために導入していたIBPシステム(ドイツのソフトウェア企業製)は、この複雑さに対応しきれず、計画プロセスの多くがエクセルで行われていました。

このサイロ化された手動プロセスは、価値方程式におけるいくつかの「X」に悪影響を及ぼし、次のような問題を引き起こしていました。

・取引対応スピードと品質の悪化
サプライチェーンの状況に対応しきれず、CRMパイプラインの取引量の増加に適切に応えられませんでした。大規模な取引に対応するだけでも数日から数週間かかり、その間に供給状況が変化してしまうケースも頻発しました。

・代替構成の欠如
必要な部品が不足した場合の代替案を調整するためのインテリジェンスが欠如していました。

これらの問題は、取引対応のスピードと品質という「X」の明確かつ測定可能な悪化をもたらし、その結果として機会損失、過剰在庫、追加部品や急総コストの増加といった「Y」にも影響を与えました。

さらに、こうした非効率性はプランナーの生産性や士気にも悪影響を及ぼし、「X」としての悪化を加速させました。

HPEの計画責任者は、価値損失のストーリーを「悪化したX」と「それを解決することで得られるY」に基づいて明確に示すことで、経営陣に対して説得力のある提案を行いました。その結果、他のソリューションを検討する承認を得ることに成功しました。

複数のソリューションを比較検討した結果、前回のIBP導入での懐疑的な姿勢が残っていたものの、課題解決のためにo9ソリューションの導入を決断しました。

o9 デジタルブレインを導入することで、CRMパイプライン、需要予測、供給計画、そしてオペレーショナルな取引対応プロセスを単一のプラットフォーム上に統合することができ、その結果、いくつかの「X」が改善することができました。

現在同社は、時間を要していたかつ一部の大規模取引にしか行えていなかった対応から、すべての取引への対応を24時間以内に行えるようになったほか、営業や顧客への回答品質も向上し、コスト・トゥ・サーブ情報を基に営業チームに代替構成や納期を伝えることで、需要調整能力も向上しました。

また、予測や供給計画は、取引パイプラインに基づいてより適切に情報が提供されるようになり、予測精度や供給計画の信頼性が向上しました。

これらの「X」の改善により、取引成功率の向上、売上の増加、在庫削減、サプライチェーンコストの低減といった「Y」の大幅な向上が実現しました。


HPE社の経験から得られるもう一つの重要な教訓は、これらの「X」を定期的に測定し報告することで、経営陣の関心を引き、サポートを維持できた点です。現在、同社の経営陣は、o9のプラットフォームが事業成長戦略にとって非常に重要であることを認識しています。

以上のことから、重要な「X」を特定し、それを測定・改善することで「Y」を生み出すストーリーを経営陣と共有することが、変革を推進するために不可欠であることが結論付けれるでしょう。

本記事の関連記事、「o9が支えるIBP(統合事業計画)変革の最前線からのストーリー」もぜひご一読下さい。

※本記事は、2024年11月に米国で公開された「aim10x Magazine」掲載記事の抄訳に、一部編集を加えたものです。内容および解釈については英語版が優先されます。

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米国ダラスに本拠を置くo9 Solutions(オーナイン・ソリューションズ)は、AIを搭載した次世代サプライチェーンプランニングプラットフォーム『o9デジタルブレイン』を提供しています。多様な業界の大手企業に導入されているo9デジタルブレインは、需要予測や供給計画、統合事業計画など、企業のサプライチェーンDXを強力に支援しています。私たちのミッションは、o9デジタルブレインを通じて、グローバル企業のサプライチェーン、商業、財務、サステナビリティにまつわる意思決定を変革することです。

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