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aim10x Digital 2026 基調講演の要点:新たなオペレーティングモデルの台頭~リーダーがいま備えるべき変革の指針~

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本記事では、弊社が2026年3月18日に開催したオンラインイベント『aim10x Digital』の基調講演から得たインサイトをまとめます。
ぜひ他の業界別セッションのまとめ記事も併せてご覧ください。

APEXモデル:当社共同創業者兼CEOが提示する未来

現在、多くの企業が未曾有の複雑性と変動性に直面していますが、そのオペレーティングモデルは過去に設計されたものを依然として利用しています。

組織内の情報の流れ方と意思決定の仕組みは、より安定した予測可能な世界を前提に設計されたものです。今日の環境では、そのモデルはあまりにも遅く、断片化しており、絶え間ない混乱に追いつくことができません。

当社最大の年次オンラインイベントであるaim10x Digitalにて、共同創業者兼CEOのチャクリ・ゴッテムカラは、現在を「かつてない規模のVUCA環境」と表現しました。このような状況下では、段階的なプロセス改善では不十分であり、企業にはボラティリティを差別化要因に変え、企業価値を高める原動力へと転換できる根本的に異なるオペレーティングモデルが必要です。

このニーズに応えるべく、ゴッテムカラが提示したのが「APEXモデル」です。APEXとは、俊敏(Agile)、適応的(Adaptive)、自律的(Autonomous)な計画と実行(Planning and Execution)を意味し、単なる既存プロセスの改良ではなく、変化をより早く察知し、部門横断で意思決定を連携させ、より高いスピードと精度で実行するための、全く新たな経営のあり方です。

APEXの核となるのは、ニューロシンボリックAIです。大規模言語モデルのアクセシビリティと、当社のエンタープライズナレッジグラフによる構造化された推論を組み合わせることで、企業全体でスケーラブルかつ文脈を踏まえた説明可能な意思決定を実現します。

APEXを定義する3つの属性

  • Agile(俊敏): 「何が起きたのか、なぜ起きたのか?」「今後何が起こりそうか?」「どのようなアクションを取るべきか?」という「4つのW」にリアルタイムで回答し、部門間の意思決定を最小限のタイムラグで連携させる。
  • Adaptive(適応的): 計画と実績のギャップから絶えず学習し、データ、プロセス、スキルにわたる価値の損失を排除する。
  • Autonomous(自律的): これを究極の目標とし、定型的な実行判断のタッチレス化を推進する。人間はより高度な戦略策定や専門的な判断に注力する。

リーダーがAPEXを実現するための3つの実践的アクション

ゴッテムカラは、経営陣がAPEXを導入するために取り組むべき3つの具体的な施策を提言しました。

  1. 事後分析(PGA)ソリューションの活用:PGAはニューロシンボリックAIを活用し、計画と実績の乖離を分析することで、パフォーマンスギャップの「なぜ」を仕組みとして追求し、部門横断での継続的改善を推進します。
  2. ファストイノベーション・センター・オブ・エクセレンス(CoE)の設立:専門知識AIを活用したデジタルファーストの内製ケイパビリティを構築することで、システム構成のスピードを加速し、外部コンサルタントへの依存を低減し、イノベーションのサイクルを数年単位から数週間単位へと短縮します。
  3. インダストリービジネスシミュレーターの活用:フライトシミュレーターを模したこのツールにより、実際のボラティリティ下でAPEXの動きを擬似体験できます。ゴッテムカラが「百聞は一見にしかず」と述べる通り、体験を通じて組織の足並みを揃え、変革への準備態勢を加速させます。

Zero100社:人間とマシンが共存するサプライチェーンの未来

続いて登壇した、現代のサプライチェーンの再定義とデジタル化を支援する先進的なインテリジェンス・シンクタンクであるZero100社のプリンシパルリサーチャー、キャロライン・チュマコフ氏は、現在の状況を「一世代に一度の大きな転換点」と表現しました。それは単にAIが進化しているからではなく、仕事の性質そのものが変化しているからです。AIはもはやタスクを加速させるだけの道具ではなく仕事の進め方、担い手、そして人間とマシンが協力して価値を創造する仕組みそのものを再定義しています。

この変化はすでに現実のものとなっています。フォーチュン500企業の中には「サプライチェーン領域だけで15のAIエージェントを展開している」と報告する企業もあり、求人票におけるエージェンティックAIへの言及は、わずか2年間で「600件に1件から約60件に1件」へと急増しています。チュマコフ氏は「採用動向は先行指標です」と指摘しました。

ハイネケン社からウォルマート社に至るまで、各社はAIエージェントを活用して市場の変化を察知してから対処するまでのタイムラグを縮めています。台頭しつつあるモデルは、連携した「マルチエージェントシステム」を基盤とする「人間と機械のチーム」です。

プランナーとリーダーに求められる変革

  • プランナーの役割:AIエージェントが推論・決定・実行まで担うようになるにつれ、典型的なレポーティング、データ収集、基本的な差異分析は次第に自動化されていきます。役割は、シグナルの解釈、シナリオのストレステスト、トレードオフの判断、そして人間とマシンのコラボレーションの強化といったより高度な業務へとシフトします。プランナーは計画の作成者から、専門家とAIシステムが共存する融合チーム内での意思決定の中枢を担う存在へと進化していくでしょう。
  • リーダーの役割:これは単なる自動化の積み重ねではなく、オペレーティングモデルそのものの再設計です。AIが仕事の担い手を変えるのであれば、意思決定権限、説明責任、スキル要件、ガバナンスのあり方も進化させなければなりません。

これからのリーダーは、ビジネスの専門知識、テクノロジー、AIケイパビリティを統合した融合チームを意図的に設計し、どの範囲まで自律性を認め、またマシンがワークフローに組み込まれた際のパフォーマンスをどう測定すべきかを明確にすることを求められるでしょう。

※本記事は、2026年3月に米国で公開された記事の抄訳版です。内容および解釈については英語版が優先されます。

その他、様々なお役立ち情報をこちらに用意しております。併せてご覧ください:/ja/resources

著者について

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The Digital Brain Platform

米国ダラスに本拠を置くo9 Solutions(オーナイン・ソリューションズ)は、AIを搭載した次世代サプライチェーンプランニングプラットフォーム『o9デジタルブレイン』を提供しています。多様な業界の大手企業に導入されているo9デジタルブレインは、需要予測や供給計画、統合事業計画など、企業のサプライチェーンDXを強力に支援しています。私たちのミッションは、o9デジタルブレインを通じて、グローバル企業のサプライチェーン、商業、財務、サステナビリティにまつわる意思決定を変革することです。

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