今年も、あっという間に11月になってしまいました。
ここから年末までは、色々なイベントが目白押しですが、その一つにボジョレー・ヌーボーの解禁があります。解禁日は、11月の第3木曜日だそうで、今年は11月16日とのことです。時差の関係で、日本は本国よりも早く解禁されるんですね..
筆者自身は、ワインの流通に携わったことはないのですが、毎年の騒動を見ていると、素人目で見ても、裏の業務は大変だろうなぁ、と思います。そもそも自然相手の商品ですし、輸配送や温度管理も複雑そうです。
さて、前回のブログでは、コントロールタワーの概要について、紹介させて頂きました。
具体的には、以下のような問いに答えるような情報や知見をもたらさなければならない、と申し上げました。
- 何が起きたのか?
- 次に何が起こりそうなのか?
- (その起こりそうなことに対して)どういうアクションを取るべきなのか?
今回は、そのなかでも1.何が起きたのか?に関する部分をもう少し詳しく、ご紹介させて頂きます。
何が起きているのか、何が起こりそうなのか、を教えてくれるデータには、以下のようなものが挙げられます。
- 自社の(卸売)売上実績 *以下「セルイン情報」と呼びます。
- 小売チャネル(卸先)での販売実績 *以下「セルアウト情報」と呼びます。
- 自社の商品在庫や原材料在庫
- 自社の生産スケジュールや入荷予定
- サプライヤーの在庫
- サプライヤーの生産キャパシティや生産スケジュール
直接の小売チャネルを持っていないメーカー企業にあっては、上記のセルイン情報はお持ちでも、セルアウト情報は把握できていない、というケースも多いかと思います。極端な例では、卸先からの追加発注を受け取って、初めて売れている(売れていない)ことがわかる、というようなこともあるようです。
これでは、急激な需要の上昇(や下落)にスピーディーに、的確に対応することは非常に難しい、と言わざるを得ません。商品の追加納品にかかるリードタイムにもよりますが、小売チャネルの店頭では品切れ状態が続く、という事態にも繋がってしまいます。
これを防ぐには、当然セルアウト情報を入手することが必要になります。ただ、一般的にリアルタイムでセルアウト情報を入手するのは難しいケースも多く、チャネルにもよりますがバイヤーなどから不定期に入手できるだけ..というようなことも多いようです。
次に、サプライヤー側の情報ですが、これも同じような課題に直面することが多いようです。取引があるサプライヤーの数や規模などにもよりますが、そもそもタイムリーに情報(在庫や生産スケジュール・キャパなど)を共有する仕組みができていない、ということも多い、と聞きます。サプライヤー側にとっても、最終製品の売れ行きを参考にして生産スケジュールなどを調整できるなどメリットも多いので、今後の改善が期待される分野ではありますが、現状ではサプライヤーのITレベルに合わせたきめ細かい対応が必要になるようです。
また、原材料や商品がサプライヤーから出荷されても、予定通り着荷するとは限りません。昨今の世界情勢による混乱や港湾施設の混雑度、天候などによって、何らかの遅れが発生するというのは避けられません。着荷してみないとわからない..では、対応への遅れが発生してしまいます。
このような事態へ対応するために、o9ソリューションズでは、輸配送情報可視化プラットフォームであるproject44社ともパートナーシップを加速化し、混乱の影響の軽減や意思決定の精度向上にも取り組んでいます。このコラボレーションにより、有効なデータをリアルタイムで収集できるようになることから、サプライチェーンの潜在的なリスクをスピーディーに特定し、その根本原因を理解した上で、将来の混乱を防止する対策を講じることが可能になります。
参考: https://o9solutions.com/ja/news/o9-solutions-and-project44-accelerate-their-partnership/
また、o9ソリューションズでは、これまで述べてきたような他の課題への対応も、提供しております。
例えば、AIやML(機械学習)を活用した需要予測精度の改善や、サプライヤーなどのパートナーとのコラボレーションを通じたサプライチェーン全体の効率化や最適化、などです。
コントロールタワーについて、さらに詳しくお知りになりたい方は、是非以下のページから詳細をご覧ください。
https://o9solutions.com/ja/solutions/supply-chain-control-tower-landing/
また、以下のウェビナーでは、小売・消費財業界に向けた、サプライチェーンのDX最新事情をご紹介しています。
https://o9solutions.com/aim10x/jp/webinar/小売・消費財業界向けデータドリブンで挑む/